TRAVEL ESSAY

インド1等AC寝台列車の旅

かわいい子供達とチェス。こんな小さな子供相手に大人気なく勝ってしまった自分に今も後悔。
かわいい子供達とチェス。こんな小さな子供相手に大人気なく勝ってしまった自分に今も後悔。

あなたがインドに初めて行くのなら、そして一人旅なら、どこに観光に行くのかよりも、まず一等AC寝台列車の旅をお勧めします。

わたしのような女性の一人旅ならちょっと強めにオススメします。

 

この座席は極端に数が少なくて、予約を取るのがなかなか難しいと言われていますが、先手必勝!販売開始とともに予約を入れればまず大丈夫です。

1等ACのACはエアコン付きという意味で、

インドでは冷房きつめ=高級です。

 

 

ゴアまでご一緒したマダムから「あなたは何日前にこの席を取ったの?わたしは2ヶ月も前からとったのよ」と鼻息荒く言われました。わたしは毎回3ヶ月前の販売開始とほぼ同時に取るので連勝です。

富裕層である彼、彼女らにとっても1等AC寝台列車での旅はちょっぴり特別なものだったりします。

 

 

 

 

 

お値段は少ししますが、かといって日本人にとっては学生さんでも払えない額ではなく、わたしのような女性一人旅で、たまにはちょっとした贅沢もするバジェットトラベラー(倹約旅行家)にもおすすめです。

 

列車によってコンパーメントの数は異なりますが、ひとつの列車にたいてい一車両のみで3つか4つくらいのコンパートメント(4人用)だけが1等ACだったりします。

 

 

「わたしなんか2ヶ月前からとったのよ!」と息巻く迫力の富豪マダム
「わたしなんか2ヶ月前からとったのよ!」と息巻く迫力の富豪マダム

 

ある時には、車掌さんが長々と何やら書類をチェックしてなかなかコンパートメントから出ていかないので何かなと思っていると

「次の駅で大臣がのってくるんだよ」と教えてくれました。

 

「大臣?」「そう、大臣だよ」

 

ちょっと緊張してしまいました。

その時に、赤ちゃん連れの親子がコンパートメントを代わって欲しいと言ってきたので(インドでは恒例です。飛行機の座席でも子連れの親子に席を代わって欲しいといわれます)、大臣と一緒はなんだかトイレに行くにも気を使いそうなので快く替わってあげましたが、大臣と赤ちゃん連れの同室はまずかったようで結局車掌さんがやってきて元に戻るように言われました。

 

以降、そう物々しい警備もなく、夜明け前の駅で降りていかれたのであっという間でそう気をつかう場面もありませんでした。

今から思えばちょっとした旅のエピソードです。

 

 

 

わたしの周りだけでもインドに行って安い座席の列車でパスポート、ラップトップ、高価なカメラ等を盗られた人が数人います。

これはかなりの確率です。

そういった災難や気苦労とは無縁で旅ができるのもよいです。

 

 

1等ACに慣れない最初の頃、トイレに行く時は貴重品はポーチに入れて携帯し、カメラやラップトップは施錠したカバンに入れていました。

慣れてきた今ではトイレに行く時はラップトップも高価な一眼カメラも座席に放ったままで席を立ちます。

 

ここに乗車できるのはかなりの富裕層のみです。

車内はちょっとしたプチ社交界です。

 自分よりもずっと裕福な方ばかりのなか、疑ってトイレまで全財産とパスポートを大事に携帯していた自分が恥ずかしくなります。

 

 

 

 

しかも夜行なので一泊分のホテル代も浮きます。

インドのホテル事情は決して良いとはいえません。

格安と高級の振れ幅が恐ろしく、わたしのような庶民に丁度良い簡素なシティホテルというのは存在しません。

超高級か安価なゲストハウスかの2択です。

もちろん1万円以下でホテルを探すことはできますが、その中途半端さに恐ろしくがっかりすることになります。

なので夜行の一泊は助かります。

 

 

インドは国土が広く、場合によっては2泊することもあります。

そうして同じ釜の飯を食べていると自然と仲良くなります。

インド人は本当に親切な方が多いのですよ。

同室になった大学教授から留学枠を推薦してあげると言われたり、今度インドに来る時は是非うちにと言われたりするようになります。

子供連れとはゲーム大会になったり、ボリウッド映画(インドのムンバイ=旧ボンベイで撮影される映画のこと)鑑賞大会が始まったりもします。

 

 

 

 

たくさんのエピソードはおいおい書いていくことにします。

 

2等や3等座席の旅もそれぞれインドらしくて醍醐味があるのですが、是非1等AC寝台列車の旅も体験してみてくださいね。




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